大阪における絵画買取りのポイント

大阪画壇という表現があるほど、大阪においては絵画の歴史が長く活発で、またその取引も盛んに行われてきました。そのため絵画に詳しくない方にとっては複雑な市場となっています。
ここでは、絵画買取りにおける鑑定と査定の違いと、主な絵画の種類を説明した後、大阪における絵画買取りのポイントを説明します。

絵画の鑑定と査定の違い

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絵画の買取りでは絵画の鑑定が重要な意味を持ちます。
ここで鑑定と査定の違いについて説明をします。この二つは一般的には同じ意味で使われることもありますが、絵画の世界では使い分けられています。
鑑定は絵画が本物かどうかを鑑定機関や鑑定人に確認してもらうことです。査定とは絵画作品の買取り金額を算定するものです。

絵画の鑑定方法

鑑定機関は作家ごとに決まった機関があります。 鑑定人は作家の遺族や弟子にあたる人が担当することが多いです。どちらも作品の真贋を見分ける事が目的であり、 買取り金額の提示などはしません。鑑定では多くの資料を使って作品を調査します。作品によっては使われている絵具や顔料の成分分析も行います。鑑定は正確さを目的として行われ、本物ということになれば鑑定証が発行されて、その作品はオリジナルとして登録されます。発行した鑑定書は偽造防止のために再発行されません。
存命中の作家については、本人に直接作品を見てもらって真贋を確認できるため鑑定書は出ません。絵画作品を取り扱う画廊や買取業者が作家と直接連絡を取って作品を確認します。

絵画の査定方法

絵画を査定する時にチェックするポイントは、作家、状態、美術的価値、歴史的価値の4点となります。これに市場の動向を掛け合わせて判断します。市場の動向とは、世界中で行われているオークションの落札価格や、市場での取引価格や、取引件数などです。これらの情報から現在のトレンドを見極め、時価総額を算出します。

絵画の種類

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絵画の分類方法には様々なものがありますが、買取りをする際に扱いやすいという分類でいうと、日本画、西洋画、現代アート、インテリアアート、掛け軸などがあります。

日本画

日本で伝統的に培われてきた技法で表現されている絵画の総称となります。明治時代に西洋画が入ってくることによって、逆に日本画というジャンルが確立しました。日本画の代表的なものには水墨画や岩絵具で描かれた絵画があります。
水墨画は、墨で描かれた中国風の技法によるもので、墨一色の濃淡やにじみやかすれなどによって表現します。中国では山水画の技法として多く用いられますが、日本では花鳥風月や仏教の人物画などによく使われます。水墨画の作家は室町時代の雪舟が有名ですが、芸術品であり、美術品の買取市場に出てくることはあまりありません。美術品の買取り市場では小堀権十郎や滝和亭、土方稲嶺などの作品が出てくることがあります。
岩絵具は鉱石や半貴石を砕いて作った顔料になります。有名な作家としては東山魁夷、森田りえ子、片岡球子、加山又造、棟方志功、千住博、平山郁夫、岩澤重夫、中島千波などがいます。

西洋画

西洋画はヨーロッパで発達した技法や画材を用いた絵画のことになります。単に洋画とも呼ばれます。西洋では西洋画とは言いませんが、日本では明治時代に日本画と区別をするためにこのように呼ばれるようになりました。具体的な技法や画材にはいろいろなものがありますが、大きく分けると、水彩画、油彩画、テンペラ画、アクリル画、版画などがあります。

水彩画

水彩画は顔料を水に溶かしたものを絵具として用います。水分量によって濃淡をコントロールしやすいために、透明感や空気感などを表現するのに向いています。美術品買取市場に出てくる日本人画家としては、木下藤次郎、中西俊夫、池田満寿夫などが見られます。

油彩画

油彩画は西洋画の中でもっともポピュラーな技法となり、多くの作品がこの技法によって描かれています。顔料を亜麻仁油などの油で練った油絵の具を用います。
美術品の買取り市場に出てくる日本人画家としては、藤田嗣治、三岸節子、牧野義雄などが見られます。

テンペラ画

テンペラ画は壁画などで用いられ、顔料を卵で溶かす古典的な技法です。色合いが不透明で優しい雰囲気が出ます。

アクリル画

アクリル溶液を含んだ絵の具を用いて描く技法です。これは速乾性に優れており、紙だけでなく布やガラスといった素材にも描くことができ、濃い色合いから淡いタッチまで作ることができます。

版画

版画はインクの転写や透写によって、版から複数枚の絵を制作する技法となります。浮世絵の版画の一種となります。使用する版の材料によって、木版画、銅版画、石版画、孔版画に分類されます。美術品買取り市場では、日本人作家では、草間彌生、ヒロ・ヤマガタ、棟方志功などの作家の作品に人気があります。

現代アート

現代アートに明確な定義はありませんが、おおよそ第二次世界大戦後の1950年以降から21世紀の現代にかけての時代の美術のこととされています。この時代の特徴として、世界的な情報のやり取りが可能になり、メディアが普及しその影響を受けました。このような時代に、お互いに影響を与え合いながら、実験的な方法で表現することに現代アートの特徴があります。美術品の買取り市場で人気のある現代アートの作家としては、クリスチャン・ラッセン、アンディ・ウォーホール、草間彌生、村上隆、奈良美智などとなります。

インテリアアートとは

インテリアアートは1980年代以降に大衆的な人気の中で売買されたポスターや版画を指すことが多いですが、インテリアアートに対する明確な定義はなく、現代アートなどの他の分類との区別は明瞭ではありません。また大衆的人気という観点が差別的であるという反省もあり、イメージは湧きやすいものの、定義はますます難しいものとなっています。ヒロ・ヤマガタやクリスチャン・ラッセンがここに含まれることもあります。

掛け軸

掛け軸は本来は日本画の一種なのですが、掛け軸単体で日本では最も種類の多いタイプの絵画となりますので、岩絵具を使った日本画などとは別に、独立して分類する方が実用的です。
掛け軸は、絵画を紙や布で表装し観賞用にしたものと定義できます。床の間に飾ることが多いのですが、現代は床の間のない住居が増えており需要が減っています。
掛け軸そのものの起源は、中国の北宋の時代となります。日本では飛鳥時代に仏教の礼拝用途として伝来しました。普及をしたのは禅宗の影響による水墨画や、茶の湯の茶掛け軸としてです。江戸時代には美術品としての発展を遂げ様々な形式の掛け軸が生まれました。

大阪での絵画の買取りの動向

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大阪は昔から栄えていた町で、特に近世の発展の時代に掛け軸などが多く生まれ、近代の発展の時代に日本画や西洋画が普及しました。絵画の売買は江戸時代から盛んであり、さらに明治以降に海外に流出したものや、価値のある骨董品として新興商工業者階級が買い取るなどしたので、絵画の出所も様々です。
このように大阪の絵画買取り市場については、絵画の種類も、保存や流通の経緯や形態も、市場の動向も様々であり、業者側に非常に幅広い知識と販路が求められる市場であると言えます。そのため、大阪で絵画の買取り業者を選ぶには、取り扱い点数が多くて知識が豊富で、国内外のマーケットを手広く扱っている業者を選ぶのが良いでしょう。